未来を拓く君たちへ

未来を拓く君たちへ―なぜ、我々は「志」を抱いて生きるのか

未来を拓く君たちへ―なぜ、我々は「志」を抱いて生きるのか

1.はじめに
この本を読んだきっかけは入社して研修の一環として貸し出されたことであった.
内容は後述するが,このタイトルからも想像ができる通りである.
成人式や卒業式のスピーチのような構成となっており,
読んでいるときは,語りかけられているような感覚であった.

レビューを書くことは初めてで,ましてや読書をあまりしない人間であるため
参考になるか不安であるが,私自身の理解の整理という意味も込めて記す.


2.概要
我々(若者,私)にとって拓く未来とは何か?
それは「自身の未来」と「人類の未来」である.
自身が素晴らしい可能性を実現することは,
人類全体が一つの可能性を実現していくということ.
そのためには「志」を抱いて生きることを忘れてはいけない.

では「志」とは何か? それは…
与えられた人生において,
己のためだけでなく,
多くの人のために,
そして,世の中のために,
大切な何かを成し遂げようとの決意.

では,なぜ「志」を抱いて生きるのか? それは…
 (1)「悔いのない人生」を生きるために
 (2)「満たされた人生」を生きるために
 (3)「香りある人生」を生きるために
 (4)「大いなる人生」を生きるために
 (5)「成長し続ける人生」を生きるために

(1)「悔いのない人生」とは何か?
まず,人は必ず死ぬ.
そして,人生はただ一度しかない.
これは決して否定できない真実.
人生の最期を迎えたとき,誰かが我々に問いかける
「この人生と全く同じ人生をもう一度生きたいと思うか?」

(2)「満たされた人生」とは何か?
それは「(時間的)長さ」ではなく,「密度」である.
ここで,もう一つの真実がある.それは
人は,いつ死ぬか分からない.
例えば,末期癌患者が医者に余命を宣告されたのならば,
彼(彼女)は一日一日を大切に生きるだろう.
死を覚悟したとき「生きる」が「生ききる」に変わる.

(3)「香りある人生」とは何か?
これは「使命感」を持って生きる人生のこと.
まず,この恵まれた国に生まれた我々は,恵まれた人間である.
そして,戦後の復興を支えた先人,諸外国に対して「感謝」の念を抱く.
そこから「義務」と呼ぶべき感覚が生まれる.
では「恵まれた人間が自覚すべき義務」とは何か

(4)「大いなる人生」とは何か?
「何を成し遂げたか?」ではなく「何を見つめて生きたか?」
例えば,石切職人に何をしているのか問うたとき,石を切っていると答えるか
多くの人々の心に安らぎの場となる素晴らしい教会を造っていると答えるか
「自分の人生には,いかなる意味があるのか」

(5)「成長し続ける人生」とは何か?
それは命尽きるまで人間として成長し続けること.
人生は,人との巡り会いによって導かれる.
人生を大切にするということは,巡り合った人を大切にすること.
では「人を大切にする」とはなにか?
それは「互いに成長する」ことである.

本書ではこれからが「志」に通ずることを分かりやすく説いている.


3.感想
上記では抽出できなかった部分ばかりで誤解を与えてしまうかもしれない.
もし,興味を持たれたのならば書店で一度手にとっていただきたい.

震災や原発の被害で悲観的なニュースが多い今日この頃であるが,
我々は未来を見つめて現在を生き抜かなくてはならない.
そのためには「志」を抱き,一度きりの人生を,
いつ終わるのか分からない人生を精一杯歩んでいこう.